ガットと農業
オーストラリアでは同じく小麦・粉乳など農産物11品目が国家貿易品目とされています。
アメリカの場合は事情がやや異なっており、個別品目を特定することなく、もっぱら国家政策上の視点から、
(1)エネルギー関連物資
(2)戦略的鉱物資源
(3)備蓄の必要な物資
(4)穀物
・・・という4グループを国家貿易対象品目としています。
もっとも、アメリカの場合主要農産物については後述のウェーバーを取得しているため、形式上は国家貿易に区分されたとしても、必ずしもこの規定に拘束されないという"特権"をもっています。
このように農産物の分野で国家貿易が多いというのは、先にもみたように基本的にはそれぞれの国の国内農業政策の反映です。
1930年代のいわゆるブロック経済の時期に、いずれの先進国においても農業政策を強化し、とくにその価格・流通について農民保護のためきびしい規制を行なうようになりますが、それは当然貿易面にも投影され、農産物貿易に対する国家的規制が格段に強まってきます。
農産物における国家貿易は、そうした各国の農業政策の動向の必然的結果としてあらわれてくるのです。
こうした国家貿易企業のガット上の位置づけについてはさまざまな問題がありますが、ここでは輸入数量制限の是非という一点にしぼって簡単にみておきましょう。