ガットと農業 2
国家貿易の対象とされている農産物について、ガット上合法的に輸入数量制限をなしうるのかどうかという問題があります。
・・・これについてのガット条文はやや曖昧であり、輸入数量制限が国家貿易に適用されるか否かは明示されていません。
以上についてのわが国の従来の解釈は国家貿易が輸入独占として運用されている場合、ガット第20条(d)に定める一般的例外に該当し、無条件に数量制限廃止義務の例外が成立するというものでした。
第20条(d)とは「この協定の規定に反しない法令の遵守を確保するために必要な措置」は一般的例外とするという規定であり、つづめていえぱ国家貿易企業はガット上合法であり、したがってまたその運用のためとられる数量制限も合法であるという解釈です。
これに対して、真っ向から対立するのがアメリカです。
アメリカは1986年の全米精米業会の日本のコメ問題の通商法301条提訴問題に関連して、そのガット上のあつかいに言及し、食管法にもとつくコメ輸入禁止はガット上非合法であると主張しました。
アメリカの解釈はガット第11条の数量制限の一般的禁止条項は国家貿易企業にも適用され、したがってコメについて合法的に輸入制限を行なうためには、政府による生産制限等の要件が必要だというものです。